私の好きな人は、塾のバイトをしている、某有名大学4年生、九坂 琉己 クサカ ルイ。



私は未だかつて、こんなにも容姿端麗、頭脳明晰が似合う男の人に出会ったことがなかった。



綺麗な顔。綺麗な瞳。綺麗な低い甘い声。



小学校から女子校の私が一目惚れするのも無理がなかった。



だが、彼の周りには常に人がたくさんいて、綺麗な女子大学生が彼に話しかけようと必死になっている。



絶対に叶わない恋。



分かっている。




だけどそれでも私はギューッと胸が締め付けられ、ポツリ…とまた1粒の涙が流れ落ちる。