実は、私はいつも教会へ行くときルイに送ってもらっている。
学園内で二人きりになるなんて難しいことなので、数少ない憩いの時間だ。
しかし、今日は珍しくルイに断られた。
「カイル様に呼ばれたので今日は一緒に行けません。……面倒臭がらずにちゃんと馬車を呼ぶのですよ」
「はーい、分かったわ」
とのこと。
男同士で話すこともきっとあるのねー邪魔するのはやめましょう。
そう思った数分前の私を止めたい。
全力で。
またはすぐさま馬車を呼んで逃げることをオススメする。
もしもそうしていれば、私はエドワード様から逃れられたのに。
きっとエドワード様たちは、私とルイが離れるときを待っていたのだわ。
どうしてなのかは知らないけれど。
って、全ては後の祭り、なのですがね。


