乙女ゲームヒロインは悪役令嬢をお望みです!


そう、思い当たる節はあるということね。


「ねぇ、カイル? 私の思い違いでなければ、あなたは今ごろルイと一緒にいるのではなくて?」

「ぼ、僕はやめた方がいいって言ったんだけどねぇ……」

「あら? もしかしてエドワード様のせいにしてますの?」

「そそそそんなわけないよ!」

「……どちらにせよ、あなたにはやるべきことがあるのではなくて? 今ごろ、待ちぼうけを食らわされているルイはどうしているのかしら、ね?」

「今すぐ連れてきます!!!」


そう悲鳴を上げて、カイルはサロンを飛びだして行った。


やはりと言えばいいのか、鍵をかけた意味はなく、魔法が使えないのも不便よね、なんて思ってしまった。

こんなときに魔法が使えたのなら、氷で扉を凍らせたり、草のツルで扉が開かないようにしたり……いや、これも魔法を使われて解除させられたら意味がないわ。