けれどもエドワード様はむうと口を噤み、不機嫌さを隠そうとしない。

だが一方で私の言うことにも一理あると認めざるを得ないだろう。

私の異能が、このリンガル王国に利益をもたらしていることを知っているから。


胡乱とした目で、エドワード様は私を見る。


「おまえ、フォスター家のルイスと共に行けないからそう言うわけではないのだろう?」

「あら、言わなくても分かっていらっしゃるではないですか」

「おまえなぁ……。はっきり言うなよ」

「言うべき人間はしっかり考えていますよ。その上で私は何度でも答えます。私は絶対に夜会には行きませんからね!」


それを言い捨てて、私はサロンから出ていった。