すると、エドワード様は呆れたように笑う。
「おまえは公爵家の一員だろう?」
「えぇ、そうですわね。確かに、公爵家の一員としては夜会に出席するべきなのでしょう」
「では、なぜ──」
「私は『聖女』ですもの。学園祭があろうと、夜会があろうと、私に助けを求めにこの国に来ていらっしゃる皆さまには関係ないことですわ」
にこりと前もって考えていた“言い訳”を答える。
いつもは『聖女』なんて肩書きを嫌がっているというのに、我ながらズルいものである。
ただ、私は肩書きが嫌なだけで、聖女としての仕事は嫌いじゃない。
私の異能が役に立つのなら、それはそれで嬉しいのである。


