私はカップに残っていた最後の紅茶で喉を潤す。


「あのね、ルイは『可愛くて、優しくて、賢くて、人望もあって、困っている人には誰であろうと手を伸ばす人』を私だと思う?」

「……賢い以外はその通りなのでは?」

「えっ」


珍しくルイがデレた。

私も驚いて聞き間違えかと思った。

けれど、ルイの顔はクールに保てていたが、耳が真っ赤に染まっていて、言ったルイも恥ずかしかったんだな、と分かった。


が、冷静になってみると『賢い』が否定されたことに気づき、ルイの腕を叩く。


なら、胸を張って自分は賢いと言えるのですか? などとルイに尋ねられたがノーコメントで押し通した。

なんだかんだで現実逃避をしていることは理解しているのである。