ただ、一つだけ思い当たることがあった。
「それはね、私がゲームの中のヒロインと違う行動をしているからだと思うわ」
「……帰っていいですか?」
「ここがルイの部屋よ!? どこに帰るつもり!?」
リアがいないところですかね、なんて真顔で言ったルイは怖かった。
私はそろそろとルイから離れようとソファから立ち上がると、にっこりと微笑むルイが私の腕を掴む。
逃げることはできない。
「まさか、リアが帰るつもりはありませんよね?」
「そそそ、そんなわけないわよ。説明させてもらうわ!」
逃げる素振りをやめると、ルイは私の腕を離した。


