「リアはいつもリードさまのことを『シスコン』なんて呼んでいますよね? 恋愛対象になるんですか?」
「まさか! 学園でも会うたびに『お姉さま、お姉さま』と抱きつきに来る姿は確かにかわいいと思う気持ちはあるけれど、それは弟としてよ。恋愛感情があったのなら、させていないわ」
「リアはそうでも、リードさまは……」
「いい、ルイ? 肝心なことは私の気持ちよ。私はあなた以外からの想いに応えるつもりはないわ。だからね、信じてちょうだい。あなたを裏切るような行動はしないから」
ルイに回していた腕に力を込める。
想いが伝わりますように、と。
するとルイは私の頭を優しく撫でて、ポツリと呟いた。
「ですが、リアの話を聞いたからこそ、信じられないんですよね」
「な、何を?」
「なぜ俺がいなかったのか、ですよ」
ですよねー、と私は口に出さないものの心の中で頷いた。


