輝ける場所

「みんなに話がある。」

練習が始まる前、監督は私たちを集めて話し始めた。

「今朝、七瀬が入院した。」

「は?」

矢本さんは勢いよく立ち上がって声をあげた。
当然、矢本さんだけじゃない。
ここにいるみんなが驚き、焦っているだろう。
だって、大事な主将で4番の輝さんが入院したんだから。

「七瀬の代わりに2年の川上に出てもらう。
大変だと思うが、みんなでフォローしあって頑張るぞ。」

監督は私たちにそう言い練習を始める合図を出した。
みんな素直に返事はするものの、いつもの元気さがなかった。
輝さん、入院だなんて…
本当にひどかったんだ。
それなのに野球を続けるなんて、馬鹿すぎるよ…


「結城。」

「はい。」

15分の休憩時間に入った。
それと同時に矢本さんに声をかけてもらった。

「今日、練習終わったら七瀬んとこ行こうと思ってるけど。
お前もこいよ。」

輝さんに会う…
昨日のこともありやっぱり気まずい。

「ごめんなさい、今日は…」

「強制だから。」

矢本さんはそう言い、同じピッチャーの佐川くんのところに行ってしまった。
強制…つまり、今日は輝さんに会うんだ。
もう、矢本さんってそういうところ意地悪なんだからっ。
でも、少し楽しみにしてる自分も自分なんだろうな。

「練習再開するぞー。」

私は練習後のことが頭から離れなかった。
輝さんに会うんだ…
輝さんに会えるっ!