カラオケ店にきた。
ま、カラオケ来たからって歌うわけじゃないけど。
ここなら、誰にも見られず聞かれず話ができるからと思って。
運ばれてきた飲み物を口に含み、暫く無言でいた。
川上くんは、いつもは部のムードメーカーで元気な人。
なのに、ここ最近はその元気がなくなっているように感じていた。
というよりかは、無理に明るく作っているように見えた。
もっと、早く気づいてあげられたらなって…
そんなこと今更思ったところで遅いのだけれど…
「でさ、川上くんどうしたの?」
私は自分から話を振ってみた。
なんか、こうゆうの初めてだから、いきなり聞いて良かったのかなと今頃気づく…
「俺さ、野球辞めたい。」
「え、」
川上くんから出た言葉は思った以上に重い言葉だった。
辞めたい…
あの川上くんが…?
「秋、4回戦で負けた時からずっと考えてた。
七瀬さんが入院して、俺が代わりとして出ることになったけど、俺にはできなかった。
できなかったから、負けた。」
「そんなことないよ。」
「そんなことある。
俺じゃ、みんなを支えきれない。」
川上くんの目には涙が浮かんでいた。
確かに川上くんはまだまだ輝さんには追いつけていない。
でも、力があることは私には十分分かっている。
輝さんがいないなかで、秋は4回戦まで引っ張ってくれたんだ。
でも、上手く言葉がでてこない。
なんて言えばいいのか、どう言えば川上くんが自信を持つことが出来るか…
「川上くんはどうして永徳高校で野球やろうと思ったの?」
「え?」
「いや、ちょっと気になってね。」
結局私は話をそらすことしかできないんだ。
とりあえずしんみりした空気を変えるしか…
「俺が中2の時、七瀬さんのいる学校と戦ったことがあったんだ。
そんときに、七瀬さんの凄さを見て、俺もこの人みたいに頑張りたいって。
七瀬さんの技術を盗んで、俺も七瀬さんみたいに上手くなりたいって思った。
だから、俺は永徳高校にきた。」
「そうなんだ。
川上くんにとって、輝さんって憧れの人だったんだね。」
「ああ。
本当はもっと強い学校に行きたかった。
でも、七瀬さんがいるなら強くなくてもよかった。
俺、七瀬さんのこと好きなんだよな。」
川上くんは笑いながらそう話した。
川上くんの表情は少し明るくなっていた。
「輝さん、きっと助かったと思うよ。
川上くんが4回戦まで引っ張ってくれたんだもん。
確かに、輝さんにはまだ及ばない。
でもね、輝さん言ってたよ。
川上くんだけには2番は渡さないって。
それは、もう輝さんは川上くんのことライバルとして見てるってことじゃん?
だから、これからだよ。
川上くんが強くなっていくのはこれから。
今は辛いことも沢山あるかもしれないけど、それは成長している証だから。
川上くんは輝さんを超えるキャッチャーになるために。
私はみんなの支えになるように。
一緒に頑張ろう。」
「そうだよな、これからだよな。
俺、何焦ってたんだろう。
結城のおかげでやる気戻ってきたわ。
ありがとう。」
「いえいえ。
元気になってくれてよかったよ。
やっぱり、川上くんは元気じゃなきゃね!」
空気が少し明るくなったところで、折角カラオケに来たんだからって歌うことになった。
野球部の打ち上げで来たことはあるけど、こうやって川上くんと2人きりは初めてだった。
ちゃんと聞くと上手で、どこか胸に刻まれるような歌い方だった。
「今日はありがとな。
話聞いてもらえたし、歌えたし、スッキリしたわ。」
「ならよかった。
またなんかあったらなんでも話してね。
まー、頼りないかもだけど…」
駅につき、川上くんは上り、私は下りのためそこで別れた。
「あ、結城。
結城はお前が思ってるよりみんな頼りにしてるから。
これからもがんばれよ、じゃあな。」
「え、あ、バイバイ。」
私、頼りにされてるの…?
こんなに何も出来ないのに…?
そう考えると嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
「なんか、今日はいい1日だったな。」
明日からまた頑張れそう。
いつの間にか私の中につっかえていた何かがとけていた。
ま、カラオケ来たからって歌うわけじゃないけど。
ここなら、誰にも見られず聞かれず話ができるからと思って。
運ばれてきた飲み物を口に含み、暫く無言でいた。
川上くんは、いつもは部のムードメーカーで元気な人。
なのに、ここ最近はその元気がなくなっているように感じていた。
というよりかは、無理に明るく作っているように見えた。
もっと、早く気づいてあげられたらなって…
そんなこと今更思ったところで遅いのだけれど…
「でさ、川上くんどうしたの?」
私は自分から話を振ってみた。
なんか、こうゆうの初めてだから、いきなり聞いて良かったのかなと今頃気づく…
「俺さ、野球辞めたい。」
「え、」
川上くんから出た言葉は思った以上に重い言葉だった。
辞めたい…
あの川上くんが…?
「秋、4回戦で負けた時からずっと考えてた。
七瀬さんが入院して、俺が代わりとして出ることになったけど、俺にはできなかった。
できなかったから、負けた。」
「そんなことないよ。」
「そんなことある。
俺じゃ、みんなを支えきれない。」
川上くんの目には涙が浮かんでいた。
確かに川上くんはまだまだ輝さんには追いつけていない。
でも、力があることは私には十分分かっている。
輝さんがいないなかで、秋は4回戦まで引っ張ってくれたんだ。
でも、上手く言葉がでてこない。
なんて言えばいいのか、どう言えば川上くんが自信を持つことが出来るか…
「川上くんはどうして永徳高校で野球やろうと思ったの?」
「え?」
「いや、ちょっと気になってね。」
結局私は話をそらすことしかできないんだ。
とりあえずしんみりした空気を変えるしか…
「俺が中2の時、七瀬さんのいる学校と戦ったことがあったんだ。
そんときに、七瀬さんの凄さを見て、俺もこの人みたいに頑張りたいって。
七瀬さんの技術を盗んで、俺も七瀬さんみたいに上手くなりたいって思った。
だから、俺は永徳高校にきた。」
「そうなんだ。
川上くんにとって、輝さんって憧れの人だったんだね。」
「ああ。
本当はもっと強い学校に行きたかった。
でも、七瀬さんがいるなら強くなくてもよかった。
俺、七瀬さんのこと好きなんだよな。」
川上くんは笑いながらそう話した。
川上くんの表情は少し明るくなっていた。
「輝さん、きっと助かったと思うよ。
川上くんが4回戦まで引っ張ってくれたんだもん。
確かに、輝さんにはまだ及ばない。
でもね、輝さん言ってたよ。
川上くんだけには2番は渡さないって。
それは、もう輝さんは川上くんのことライバルとして見てるってことじゃん?
だから、これからだよ。
川上くんが強くなっていくのはこれから。
今は辛いことも沢山あるかもしれないけど、それは成長している証だから。
川上くんは輝さんを超えるキャッチャーになるために。
私はみんなの支えになるように。
一緒に頑張ろう。」
「そうだよな、これからだよな。
俺、何焦ってたんだろう。
結城のおかげでやる気戻ってきたわ。
ありがとう。」
「いえいえ。
元気になってくれてよかったよ。
やっぱり、川上くんは元気じゃなきゃね!」
空気が少し明るくなったところで、折角カラオケに来たんだからって歌うことになった。
野球部の打ち上げで来たことはあるけど、こうやって川上くんと2人きりは初めてだった。
ちゃんと聞くと上手で、どこか胸に刻まれるような歌い方だった。
「今日はありがとな。
話聞いてもらえたし、歌えたし、スッキリしたわ。」
「ならよかった。
またなんかあったらなんでも話してね。
まー、頼りないかもだけど…」
駅につき、川上くんは上り、私は下りのためそこで別れた。
「あ、結城。
結城はお前が思ってるよりみんな頼りにしてるから。
これからもがんばれよ、じゃあな。」
「え、あ、バイバイ。」
私、頼りにされてるの…?
こんなに何も出来ないのに…?
そう考えると嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
「なんか、今日はいい1日だったな。」
明日からまた頑張れそう。
いつの間にか私の中につっかえていた何かがとけていた。
