輝ける場所

それからまた日が空き、今日は4回
一昨年の甲子園出場校の桜木高校との対決。
春の選抜がかかっているから、こんなことで負けるわけにはいけない。
でも、一回裏。
自分たちのミスで一気に4点取られてしまう。
その後も上手くボールを取ることができず2点も相手に与えてしまう。
攻撃に移ってもなかなかヒットがです、6-0で迎えた9回表。
ここで点を取らなきゃ終わり…

「落ち着いていけよ。」

監督からはその一言だけ。
でも、そう言われた時の選手は今までとは比べ物にならないくらい変わる。

「4番、代打宮川くん。」

フォアボールにより、ノーアウト満塁に。
一気に4点のチャンスが回ってきた。
宮川さんは初戦でソロホームランを打っていた。
だからこそ、宮川さんにはみんなが注目していた。
すると、宮川さんは初球で打った。
会場中が盛り上がっていく。
落ちそうな気配はなく、どんどん伸びていく。

「え!?」

思ったより私の声が大きくて、監督がビックリしていた。
そう、宮川さんの打ったボールが場外まで飛んでいったのだ。
6-4。
あと2点。
ノーアウトだから、まだチャンスがある。
宮川さんが打ったことで少し流れが代わり、5番の中里さんがツーベースヒット。
6番の神木さんの送りバントで1アウト3塁。
またチャンスが回ってきたところで、7番の矢本さん。

「オッシャーッ!」

バッターボックスで大きく叫んだ矢本さん。
今日はまだヒットがなかったが、矢本さんならやってくれる。
そう思った初球、球場にいい音が響き、ボールはどんどんと伸びていった。
ギリギリ入らなかったが、センターに落ちた。
そこから相手の送球ミスもあり、矢本さんはランニングホームランに。
6-6。
ここで、少なくとも表で終わらせることはなくなった。
ここからまた点数を広げていこうと選手達は一丸となって戦っていく。
しかし、続く8番はフライアウト。
9番は三振で永徳高校の攻撃は終了した。
いくら6点返したからと言っても、まだ安心できない。
サヨナラ負けだけにはならないよう、守備にも全力を注いだ。
2アウトまではすぐに取ることができた。
あと1アウト。
そんな時、相手の4番にツーベースヒットを打たれてしまう。
5番はショートゴロ。
チャンスだと思ったが、送球ミスで2アウト一三塁。
ここで1度、守備のタイムをもらった。
大丈夫。
私はスコアボードを胸の前で強く抱きしめた。
タイム後の初球。
矢本さんの球は上手く当たってしまい、サヨナラホームランとなってしまう。
9×-6。
私たちは4回戦で敗退となった。