お願いドクター、毒よりも愛を囁いて

「そんなのじゃありませーん!!」


頬を膨らませて睨み付けると、ドクターはブハッ!と笑いだした。


「そんな顔してる間は問題外だな」


笑いながら右手の処置をしてカルテを書き出す。その背中を睨み付け、刺してやりたい…と思った。



「私は期待してますから」


「は?」


「先生にそこまで言った患者さんは初めてです」


「いや、あの」


それはドクターがあまりに毒ばかり吐くから……


「それに、こんなに何度も新しい傷を負って来た人もそうそういませんし、何かのご縁があるのかもしれないわ」


包帯をあちこち巻きながら話す。
原さんの言葉を聞きながら本当に単純にツイてないだけ…と情けなくなった。



「明日も来いよ」


カルテを書くとドクターは背中を向けたままそう言った。
振り向いてもくれず、ボソッと言葉を付け足す。


「左足の様子を見るから」


勿論時間内診療で!と強い口調で締め括り、ガタンと椅子を立ち上がる。

ちらっと振り向いた顔はイケメンで見ればドキッと胸もときめくけど__