お願いドクター、毒よりも愛を囁いて

「処置の途中で動くな!」


「貴方が時間外に来るなと言ったんでしょ!」



診察室で怒鳴り合ってたら原さんがやって来た。


「何事ですか?」


側へ来ると私が怒ったまま泣き出しそうになってるのに気づき……


「先生…?」


どうも何か勘違いをしたらしい。
診察台の上にいる私の格好と足を抑え込んでる彼を見て。


「いや、俺はただ処置をしようと」


「本当ですか〜?」


窺い見るような目で睨み、ドクターは当然だろう!と言い張る。半ば疑いながらも視線を私に向け直し、一体どうしたんですか?と問い質した。


「実は…」


今朝あった出来事を話すと原さんは少し呆れた口調で「また?」と言った。
でも、失言だと気付いたらしく、直ぐに「それで此処に?」と聞いてきた。


「病院と言っても調べるよりは此処へ来る方が早いと思って。どうせ処置もあるし」


これでもインターホンを鳴らすのは躊躇ったんだ。
時間外労働させるなと土曜日にも言われたし。


「そうよねー」


困った様な面白そうな顔つきで頷く原さん。