お願いドクター、毒よりも愛を囁いて

二人きりの診察室で行う行為にしては卑猥だと思い、ドクターが変態行為や痴漢行為に走らないことを祈った。


巻かれた包帯を解きながら視線が私の足に集中してる。

それを感じれば異様な汗が噴き出しそうで、鳴らなくてもいいのに心臓はドキドキと鳴り始める。


意識するな…と思ってもムリな状況下で、ガーゼも除けられた傷口をドクターは繁々と見つめ……。


「相変わらす太い膝だな」


カチン!とくる言葉を浴びせ、まあ健康的な証拠かと取り繕う。


(ちっともフォローになってませんけど!?)


さっきまでの胸の高鳴りは吹っ飛んだ。頭の中で文句をたれ、治療してもらう身は受け身だなぁ…と実感した。


「しかし、あんた目が前に付いてるのか?本当は後ろに付いてるんじゃねーの?」


揶揄いにしては酷過ぎる言葉にまたしてもカチンとくる。それでも相手はドクターだと思い、必死で怒りを我慢した。



手際よく処置を終えられた十分後、ようやく受付の人が出勤してきた。
私はその時まだ診察台の上にいて、ドクターの指示で寝てます…と言い訳した。