団体旅行32

 観光地の食堂に行くと、団体客向けに「弁当」を配布する所もある。弁当片手に、散策してもらおうというものだ。それがおばさんだけの団体と、出会った。男性添乗員一人、おばさん五0人。弁当は五一個を用意した。

 スタッフは、おばさんたちを並ばせて配布した。食事になると、生き生きとしている。楽しそうだ。ところが、一個足りない。

そんなはずはない。一人が、友人の分として二個持って行ったおばさんがいたようだ。しかし、その友人はしっかりと並んでいた。

スタッフは、おばさんに二個渡すべきではなかった。大きなミスだ。おばさんを信用したスタッフが、バカだった。

結果、男性添乗員には泣いてもらった。自腹で、近くの店で弁当類を購入することになった。ごめんなさい。

男性添乗員「おばさんのツアーは、嫌いだー」

 と愚痴をこぼしていた。悲劇ひげき。食い物の恨みは、怖いぜよ。セレブのおばさんだったら、礼儀正しく上品に並んでいたであろう。それとも、変わらないか。