女性たちに告ぐ

そんなに臭いか 29

とある病院の待合室にて。

イスが三人分ある。左の座席に、おばさんが座っている。自分は、右の座席に腰掛けた。ところが、そのおばさん、即座に目の前にある座席に移動した。気分、悪いな。俺って臭い。それとも、不気味なオーラでも放っているのか。

嫌われやすい体質だから、何か原因があるのであろう。それにしても、傷つくな。おばさんだって、そういう態度に出られたら、嫌だろう。

それとも、おばさん自身が、臭いから遠ざかったのかな。おばさんの身体が、臭いのかもしれない。

○    ○
とある雑談室で、自習していた。四人掛けの机に座った。目の前で、女子高校生が勉強をしている。お腹が減ってきた。

カバンから「サキイカ」を取り出して、食べ始めた。ここは雑談可能、飲食可能な自習室だ。

すると、その女子高校生は、ハンドタオルで鼻を押さえだした。どうしたの、か・な。さらに他の机が空くと、その机に移動した。おいおい。

もしかして、サキイカの臭いって、臭いの。自分は全然、感じないんだけど。それとも、イカ・アレルギーだったとか。

サキイカって、おいしいんだけど。クチャクチャと音はするけれど、気をつかっては食べているつもりだ。汗っかきだけど、俺の身体が臭いのかな。