女性たちに告ぐ

観光地での写真集販売26

 とある観光地の、とある民間の鉄道会社の駅。

ツアー客たちを集めて、駅長が、お立ち台に立って周辺のことを解説している。次の電車がくるまで、そこに集めて漫談でも主催しているようだ。

みんな、大笑いをしている。バカ受け。受けると駅長も、ご満悦だ。次が本題だ。写真集の販売だ。一冊一000円。その場での販売だ。現金収入だ。これが本当の目的だ。

この駅でしか販売していない。全国の書店に行っても販売していない、限定物だ。
スタッフが総動員して、お客を取り囲み売り上げを目指している。

歩合制ではないようだ。ちなみに、悪質な催眠商法ではない。ところが、おばさん客になると違ってくる。

おばさん「チョッと、見せてもらえる」

 スタッフが、一冊手渡す。おばさんたちは、サーッとページを開いて目を通す。しょせん地元の観光地の写真集だ。見終わった。

おばさん「あー、見た見た」

その場で、見たと認識した。購入した気分に浸った。満足した。ズルい。おばさん、この一000円は、「写真集代」ではないのだ。笑わせた、「漫談料」なのだよ。

写真集を販売することで、漫談料を徴収しているのだ。何度も来ているお客様は、それを承知で、毎回毎回購入してくれている。ありがたい、神様だ。

悪魔よ、空気を読め。ケチケチするな。上流階級のセレブな神様なら、きっと空気を読んで理解してくれると思う。たぶん。