キーンコーンカーンコーン
この時間のこのチャイム、鳴るたびに今まで何回ため息をついただろうか…。
「じゃあ今日はバレーするぞー!みんな準備しろー!」
バレーは嬉しいんだけどね…。
ポンッ。
誰かが私の頭を叩いた。
「え…?」
あ、きた。
「おい、何ボーッとしてんだよ」
耳もとで囁く低い声。
ボーッとしてないんですけど。
「す、すみません…」
とりあえずいつものように謝ってみる。
それから先生は意地悪そうにニコッと笑う。
そう、いつもなんだ。
いつもこの体育の時間はこういうやり取りから始まる。
さすがにみんなも怪しいと思ってるんじゃないかな。
たぶんね、きっとこの先生は私のことを…
バカにしてるんだよ。
