この時だけ私は自分の名前が大好きになった。電話を切っても、ドキドキは止まらない。楓の声の余韻にずっと浸っている。誰よりも好きな声。誰よりもおちつく声。懐かしい声。愛しい声。私の中で楓がだんだん大きくなっている事が自分でもわかった。でもわざわざ電話って、何の話だったんだろう。まぁいいか。私は今世界で1番幸せな女の人かも知らない。そう思ってるのは楓には内緒の話。