「見つけた…って、え?」

「どうした、総司…」


二人の目の前には泥まみれの姿で横たわった一人の少年だった。

「どう、する…一くん」

沖田の言葉に斎藤は考える。

普段の彼ならば迷わずそのまま何もしないだろう。彼の仲間とて同じだ。

それは冷たいのかもしれないが、屯所へ連れ帰ってそいつが間者だったら厄介なのだ。

だが…どうしてか、この少年に関しては放っておけなかった。