「ねえ一くん」

「どうした、総司。何かあった?」

一と呼ばれた青年が隣の青年に問うと、彼は少しだけ顔をしかめて言葉を紡いだ。

「何か、臭う…この先に何かいる…」

青年の言葉に一…斎藤は腰に差した刀に手をかけた。

「皆は屯所に帰そう。…俺達だけで行く」

斎藤の言葉に頷く青年――沖田。

「こっちだよ。来て、一くん」

沖田の嗅覚を頼りに林の奥深くまで進んでいく。


そして――、