「ねー鴨ちゃん」 「は?」 「え…」 芹沢の声と斎藤の声が重なった。次の瞬間、 「す、すみませんっ。こいつ最近入った者で…」 「ちょ、斎藤。痛い」 斎藤に頭を鷲掴みにされて、ぐぎぎと頭を下げさられる。 意味がわからん。痛い。 「いーじゃん。だって鴨ちゃん恐くない。いい奴だ」 「…ほう。何を根拠に」 少しの間固まっていたが、ちゃんと戻ってきたようだ。 ニヤリと人の悪そうな顔をして訊いてきた。