「もう、ハクリっ…!毎回俺やしんぱっつあんを巻き込まないで…!総司、恐いんだからね!?」

「…しょうがねーだろ。刀なんて使えねーし。沖田恐い」


そう、ハクリはいつもうまく逃げている。

何から?…勿論、沖田からである。

剣術なんてやってこなかったと、やけに戦いたがる沖田からのらりくらりと逃げ、その度に周囲の人間を代わり(犠牲とも言う)にする。

今回は平助と新八が被害に遭ったようだ。


「もー…しょうがないなあ。じゃあさ、一回俺と」

「却下。殺す気か」

「即答!?しかも殺される気満々!?」

「平隊士とやっても負ける自信あるぞ」

「胸張って言うことじゃないでしょ!」


はぁ~と溜め息を吐く平助。

「大丈夫か、藤堂。溜め息ばかり吐いてると幸せが逃げるぞ」

「ハクリのせいだよっ!」

噛みついてくる平助を軽くあしらいながらハクリは考える。