「ねえ」
ふいに、あなたに声をかけられる。
「なに?」
わたしがそう聞き返せば、あなたはにやにやと笑って、
「手、繋ぎたいんだけど。」
とひとこと言った。
「...」
今、なんと言いましたか.......?
思わず、思考停止状態になっちゃった。いけないいけない。
「だめ?」
「...えっ」
ようやくあなたの言った言葉を理解すると、驚きと恥ずかしさと照れが一気にやってきて、わたしの顔が紅潮したのが自分でもわかった。
「もしかして、俺と手繋ぐの嫌?」
恥ずかしい...けど、手を繋ぎたいというのはわたしも同じ気持ちだし、なによりあなたは悲しそうな顔してるし...