「ねえ」
「なに?」
小首を傾げて、頭ひとつ分以上違う俺を見上げる君。
......可愛い。
「手、繋ぎたいんだけど。」
「...」
「だめ?」
「...えっ」
反応が一周遅れている気がする。そんなとこも君は可愛い。
あわあわと目に見えるほど焦る君に、俺はもう一踏ん張りと思いながら、
「もしかして、俺と手繋ぐの嫌?」
と寂しそうな顔をして言った。
もちろんこれも考えの上だ。
すると案の定、君は、
「そんなことないっ!...繋ご」
さっきよりも更に顔を赤くしてうんうんと頷く。
そんな姿を見て、俺は君を本当に愛しいと思った。