満月の夜、君を見つける


「おかえりー」

 
 部屋に入ると、相変わらず星の声は聞こえるけど姿は見えない。

 だけど特に気にもせず、ベッドに横になって携帯をいじる。

 
 あっ……、楓からメール来てる。

『美月‼ いつになったら学校に来るの⁉ 皆待ってるよー‼』

 メールの文から、怒ってるけど心配してくれているのがわかる。

 坂井楓。幼馴染で、幼稚園の時からの親友。
 優しくて可愛い系だけど正義感が強くて、たまに家に来て授業の内容とか教えてくれるから凄く助かっている。

 甘えてないで、そろそろ学校に行かないと出席日数危ないよね……。

 父さんが亡くなって、最初は傷ついていた心も時間と共に少しずつ癒えてきているのはわかってる。

 わかってはいるんだけど……。もう一ヶ月近く行っていない学校に行く勇気が出ない。

 楓は、皆待ってるって言ってくれてるけど本当なのかな。
 もうすぐ文化祭も始まるから、忙しくしてるだろうし今更私が行っても邪魔にしかならないんじゃ……⁇

 昔からの悪い癖で、考えれば考えるほどどんどんネガティブ思考になってしまう。