「おーい、美月。そろそろ起きろよ」

「んっ……」


 あぁ、何だか懐かしい夢見ちゃった。

 体を起こして、窓の外を見ると太陽が沈みかけていた。


 流石に寝すぎた……。

 一階へ降りると、テーブルの上にラップのかかったハンバーグとご飯とメモ紙が一枚置いてあった。


『美月ちゃんへ。パートに行ってきます。ご飯はチンして食べてね』


 久美さんは、父さんが亡くなってからは朝から夕方までOLとして働いて一度帰ってきて私の夕ご飯を準備してくれたらそれから夜までスーパーのレジ係で働いている。

 それもほぼ毎日。
 
 夜まで働かなくてもきっと生活には困らないだろうけど、久美さんも父さんを亡くして自分がしっかりしなきゃって思ってるんだろうな……。

 しっかりもので、こんな私にも優しくしてくれる人だから。

 言葉にはできないけれど、すごく感謝してる。
 ありがとう……久美さん。

 美味しいご飯を食べて、お風呂も済ませて部屋に戻った。