私とあいつが出会ったのは、満月の綺麗な十五夜の日だった。


 人一人いない、ジャングルジムしかない小さな公園。
 味気ないけれど、ココは私のお気に入りの場所で小さい頃からよく遊びに来ていた。

 ジャングルジムのてっぺんに上って、月を見上げる。

 空には雲一つなくて、星も普段よりたくさん輝いて見えた。


 携帯をポケットから取り出し、写真を撮ろうとするけど遠すぎて肉眼ほど綺麗には映らない。


 時間を見ると、もうすぐ23時になる。
 久美さん、心配してるだろうな……。

 私、何やってるんだろ……。

 目を閉じて、風の音だけを感じる。

 そして、つい気持ちが溢れて呟いてしまった。



「死にたい……」