興信所に依頼してひかるのことを調べてもらった結果、彼女は小学生時代の同級生である黒田豪と仲が良かったと言うことが発覚した。

彼らの同級生の証言によると、ひかると豪はいつも仲が良くて、一部では“つきあっているんじゃないか”と言う噂もあったそうだ。

黒田豪は父親が押しつけた借金のせいで、母親と共に苦しい生活を強いられていた。

母親は彼が17歳の時に過労で倒れて亡くなった。

豪は残りの借金を返済するために働いている…が、借金取りのせいで常に職を転々としているとのことだった。

かつて住んでいた街に戻り、長距離トラックの運転手として働いているとのことである。

「こいつが邪魔だな…」

伊崎はそう呟いた。

ひかるは彼に恋をしているのかも知れない。

彼を忘れることができないから、自分のことを見てくれないのかも知れない。

そう判断した伊崎は、豪に近づいた。