子供の頃から、ひかるが好きだった。

大人になって再会しただけでも嬉しかったのに、彼女も自分と同じ気持ちを抱いていたことも嬉しかった。

初恋の相手と結ばれた幸せは、一生忘れることはないだろう。

――何か困ったことやつらいことがあったら、いつでもあたしに頼っていいからね…

――私、豪くんの役に立ちたいの…

子供の頃と現在のひかるの言葉が同時に、頭の中に浮かんだ。

ひかるは自分を励まして、自分の力になると言った。

だけども、
(――俺は、それでいいのか…?)

豪は心の中で呟いた。

自分の人生に、自分の借金にひかるを巻き込んでいいのだろうか?

ひかるは借金を一緒に返すと言った…けれども、自分はひかるに甘えていいのだろうか?