「申し訳ありません。

失礼ながら、あなたのことを調べさせてもらいました」

伊崎は豪の頭の中を呼んだと言うように答えた。

「あなたを呼んだのは、他でもありません」

伊崎はそこで言葉を区切ると、
「僕が黒田さんの借金を代わりに払います」
と、言った。

「えっ、何で…?」

そう聞き返した豪に、
「昔から困っている人を見ると放って置くことができない性格なんですよ。

ですから、借金に困っている黒田さんを助けてあげようと」

伊崎は微笑みながら言った。

「…いいんですか?」

「はい、いいですよ。

別に苦じゃありませんので、でも…」

伊崎は豪の前に人差し指を出すと、
「あなたに守ってもらわないといけない条件があります」
と、言った。