「――豪くん…」

泣きながら名前を呼んだひかるに、
「――ひかるちゃん…」

豪は返事をすると、優しく微笑み返した。

ひかるは豪の背中に自分の両手を回すと、抱きしめた。

大きな背中だと、ひかるは思った。

豪の成長を改めて知らされた。

「――ひかるちゃん…」

豪が自分の名前を呼んだ。

「好きだよ」

そう言った豪に、
「――私も、豪くんが好き」

ひかるは返事をした。

お互いの顔を見つめあうと、微笑みあった。

豪の顔がだんだんと自分の方に近づいてきた。

そっと目を閉じたその瞬間、
「――ッ…」

豪の唇が自分の唇と重なった。

お互いの思いが通じあったそのキスに、ひかるはまた泣きそうになった。