五月雨・弐






「ったく、心配させて!!」
「…………ごめん。」

心配してるのか分からない口調。
頬が熱い。
玄関に入るとき、おばあちゃんに打たれた。
死にたいなんて、もう良い飽きた。
私の部屋の物も、聞き飽きてると思う。
幸せなんて見えないと思う、あの部屋には。

でもね、圭吾。
貴方といるときは違うの。
貴方に会えるから、耐えてるの。
明日になれば幸せが待ってるって
今こうして生きてられるの。

「早く手を洗いなさい!!」
「もう洗ったよ?」
「汚いんだから部屋に戻りなさい!!」

悪口なの?心配してくれてるの?
ねえ、わけが分からない……。
そういうことをされる意味が分からない。

何度殺意を感じたか
何度自分を傷付けたか
悲しい傷があちこちに出来ては消え
消えては傷付け続けていた。

だめ、もうだめ。
そう思ってたんだ。

「…………。」

“パタン……。”

「……圭吾、明日、会えるもんね?」

自分の携帯を握り締めて泣いた。