五月雨・弐













“ピッピッ……”

心電図の音で眠れない。
私は大分重い病気みたいだった。

素直になれないのなら
このまま身体ごと壊れてしまえば良い。
そしたら醜くなる前に
敬吾も、皆も、
私を抱き締めようと泣いてくれる。
そんな幸せでも良いから感じたい。

「…………」
「大丈夫なんですか、この子は」
「お父さん、ちょっとこちらへ」

背中に太い針を刺されて
私は苦しい中で痛みに泣いた。

脊髄を取ってるんだと分かった。
私は、白血病なんだ。
そう確信したのは、すぐだった。

母の手は震えていた。