五月雨・弐










「だめ、解けないっす」
「は?そうか、戻れ。」

呆れた顔をして先生が私を見る。
【前に出てきてまで?】
そう思われてるなって分かってる。

「…………」
「どうした?何かあったの?」

友香が顔を覗いてくる。
無言で顔を横に振る。

そういうんじゃない。
ただ、動けなかった。
未来が怖くて。

近くにいる圭吾に
ただ怯える事しかできなかった。