手を広げた。 ゆっくり、翼を広げた。 優しい風が吹いた気がして 凄く心地よく感じた。 大丈夫。 未来は行動すれば動いていく。 大丈夫。 死んだら皆が優しくしてくれる。 「……ゴクッ。」 深呼吸をした。 待っててね、皆。 大丈夫だよ、私。 「10、9、8……。」 “ギキッ!!” ドアの開いた音がした。 でも、関係ない。 「5、4……」 「谷口!?」 人が違ったから、多分カウントをやめた。 立っていたのは、圭吾じゃなかった。 それは…………。 「高は、し……?」