“♪♪♪”
携帯が鳴る。
思ったより大きな音でビックリ。
「…………。」
“カチャッ。ピッ。”
「もしもし?圭吾?」
『おう。』
「どうかした?」
少し早口で話してるのに気付く。
やだな、感じ悪いよね。
「何かあった?」
『……声、聞きたくなっただけ。』
「……ふ~ん。そう。アタシも。」
『おう。』
ぎこちない雰囲気。
アタシのせい、だよね……。
「ごめん、疲れてて。」
『勉強?』
「うん。理科やってる。」
『ああ、真野のでしょ。俺もさっきやってた。つか、もう飽きてやめちゃったけど。』
何か嬉しくて笑った。
理解してくれるだろうか、この嬉しさ。
誰かに知ってもらいたい。
綺麗な未来を待ってる。
「……じゃあ、ね。」
『またな。』
“プッ、プープープー。”
「…………。」
明るいのに、部屋が暗く見えた。


