んーー!朝の大きな伸びをした。カーテンの隙間からもれる朝の光。私はアラームを止め、起き上がった。
「さきのー!もう大学行きの電車間に合わなくなっちゃうよ!」急かすこの女の人は、幼稚園からの幼なじみ藤田姫乃(ふじたひめの)で、同じ大学に通っている。
「待ってー!てか、姫乃急かしすぎ。まだ時間あるよー1時間も(笑)」
こうして大学生活が始まる。
中学、高校楽しかったなー。そう思うようになった。
入学式は終わり、家に帰った。懐かしくてアルバムを開きながら眠ってしまった。



今日は中学の入学式。なんて辛いことだろう。嫌だなー。
「おっはよー!さき!もう行ける?」
"行けるよー!じゃあ行こうか!"
手話でかえした。姫乃は笑顔で頷いてくれた。そんな私は生まれつき障害を持っていた。それは、声が出ない障害。耳はきちんと聞こえる。しかしだけが何故かでないのだ。歌うときは口パクをしている。音読はあてられないようにもう親から先生に言ってある。声が出ないせいでいじめられたりしないだろうか。心配なことがたくさん出てきた。
「大丈夫、さきなら楽しい学校生活にできるよ!だって何があってもわたしがいるでしょ!?」
姫乃が励ましてくれた。多分察してくれたんだよね。優しい。
"ありがとう、姫乃ちゃんそうだよね!"
また輝く笑顔で頷いてくれた。