そこには………
さらに大人っぽくなって、幼なかった面影は一つも残っていない雄大がいた。
「…………っ。」
涙が、溢れてきた。
「白峰!?どうした……!?」
座っていた雄大は立ち上がって私のそばまで来る。
私は起き上がった。
「おい…!起き上がって大丈夫か?」
焦る雄大。
違うよ、泣いてる理由は身体が痛いからとかじゃなくて……。
……私はもう一度、雄大を見た。
「…………ゆ、だい……。
……雄大……っ、」
やっぱり涙は止まらなくて、あまり雄大の顔が見えない。
「…………っ!!」
雄大は言葉をなくし、目を見開いてこちらを見ていた。
そして少しの沈黙の後。
「戻ったのか……?
全部、思い出したのか……?
お前は白峰じゃなしに、咲良、なのか……?」
と、雄大が言った。
「う、ん……。
私だよ……北条咲良だよ……。」
そう言い終わるとすぐに雄大は私を抱きしめた。
苦しいくらい、きつく。



