そこからの記憶は曖昧で、最後の方はぼんやりとしか覚えていない。







でも、あとはほとんど思い出した。








そして本当の白峰咲良という人物も思い出した。










ーー白峰咲良。








その子は私のお父さんの会社仲間の子供だった。









会社仲間の家族との集まりが年に数回あり、その時に白峰咲良と会っていた。









白峰咲良は静かで大人しくて、髪も長く前髪も長くて顔を隠すようにしており、よく俯いて壁の端にもたれていた。









だから私がよく声をかけてたんだよね。









同じ咲良ってこともあって、親近感がわいてたから。