ーー学校に着くと、伶奈と入坂はもう学校に来ていた。
伶奈は私を見るなり笑顔になる。
「咲良〜!久しぶり!!
夏休み一回も会えてないから寂しかったんだよ?
誘っても全部断られるし…。」
「ご、ごめんね。忙しくて、中々時間とれなくて……。」
そんなのは嘘だ。
あの時の自分は、幸せそうな伶奈と入坂が見るのが辛かったんだ。
「………。」
伶奈を見ると、胸が痛んだ。
だって伶奈は入坂のこと、好きなのに。
なのに私はそんな伶奈から入坂を奪うんだ。
私たち親友なのに。
そんなの親友としても、1人の人間としても最低だよね…。
そう思うと本当に入坂を好きでいていいのか、なんて考え直してしまう。
好きな気持ちは変わらないけど、それ以上の関係になるのには勇気がいる。
だってたった1人の親友を裏切ることになるんだから。



