入坂から目をそらして横を通り過ぎようとした時、突然腕を掴まれる。 振り向いて、「どうしたの?」と私が言うと、入坂ははっと我に返った表情をして掴んだ腕を離した。 「いや、なんでもない。 引き止めて悪かった。」 悪くなんてないよ。 私だってまだ長くいたいのに。 ……あれ? なんか頭に引っかかる。 なんだろう、と思った時。 ズキッと頭が痛んだ。 まだ軽い痛みだったけど、咄嗟のことで頭を抑える。