「そんなに俺のこと好きになってんだ?」
智樹はニヤリと自信ありげに笑った。
「ち、違う……!」
やばい、今の私の顔真っ赤だ。
自分の顔の体温が上がっていくのがわかった。
あれ……もしかして私、結構本気で智樹のこと好きになってる……?
だって近くにいると、ドキドキするし……
もう一度、彼を見る。
「何だよ…?」
彼の瞳が私を捉えた。
………確かにドキドキしたり、そばにいると安心したりする。
でも……、それでも………。
どうしても、入坂のことが頭から離れないのはなぜ……?
完全に忘れきれてない……。
というか、忘れることができないんだ。



