祭りの場所に近づくにつれ、電車が混んでくる。
ほとんどの人が祭りに行く人なのだろう。
浴衣を着ている人がちらほらといて、中には祭りの話をしている人もいた。
「混んできたね。」
「そうだな。」
人がどんどん入ってきて、自然と密着してしまう。
智樹との距離が近くて、恥ずかしかった。
………意識してしまう。
綺麗な顔立ちだな……。
彼の顔を見てそう思った。
と、ふいに彼がこちらを向いた。
「何?視線感じてるんだけど」
「………えっ!?み、見てるつもりはないけどなぁ。」
明らかに焦ってる自分がいて、絶対に見てたってことバレてる。



