そしてゲームセンターに向かう。
……あ、そういえばいつの間にか繋がれた手は離れていた。
繋がれたのがあまりにも自然であり、離されたのも自然だったから気づかなかった。
でも気づいてしまうと少し寂しさを感じる。
少し歩くとゲームセンターが見えて来た。
「ねぇ、先どっち行く?」
「お前に任せる。」
なんか私1人だけはしゃいでるみたい。
寺内はいつも冷静だった。
大人っぽいっていうか、もう大人だよね。
見た目は金髪にピアスの不良なのに。
そう考えるとつい笑ってしまった。
「なんだよ?」
「ううん、なんでもなーい。」
「は?気になるだろ、言えって。」
たまに子供っぽい時もあるけど、それがまた可愛いと思ってしまう自分がいた。
あれ、私結構楽しんでる?
気づけばさっきまでの辛く苦しい感情はなくなっていた。
これも……
「さっきから俺の顔見て、まじでなんなんだよ?」
「別に……。」
寺内の、おかげだ。



