繋がれた手。
私より遥かに大きくて、男の人の手だった。
それでいて、繋がれた手は優しく、心が暖かくなる。
意識してるのがバレないように私は話しかける。
「ねぇ、これからどこに行くの?」
「んー、特になにも考えてない。」
「えぇっ!?なのに私をデートに誘ったの?」
「今から決めても遅くねぇよ。
お前はどこ行きたい?カップルっぽいことするか?」
か、カップルっぽいことって……何…?
付き合うとか初めてだから、わからなくて考えを巡らせる。
そんな私を見て、寺内はふっと笑う。
「バーカ、そんなに難しく考えなくていいから。友達感覚で行こーぜ。」
私を安心させるような笑顔を向ける彼。



