「お前は、」 漕ぎながら、彼が呟くように言う。 「不自然に思わないのか?」 不自然に思う……? 「何が?」 私は彼に聞き返す。 でも…… 「あの2人が付き合ったこと。」 彼は何か言ったようだが、その言葉は車の音にかき消され、私には聞こえなかった……。