「咲良!本当なの?」
伶奈も目を見開いて私に聞いてきた。
私は黙って頷く。
「えぇっ、白峰狙ってたのに…。」
「なんであの男なんだよーっ」
「うそ……きっかけはなんなんだろう。」
「あんな怖い人となんて無理ー。」
みんな口々に話し、祝福の声はなかった。
するとまた寺内が
「早速今日の帰り、デートしようか。」
と、満面の笑み、甘い声でそう言ってきた。
その瞬間、クラスが静まり返る。
そして……
「まって、今の本当に寺内くん!?」
「うそうそうそ、すっごいかっこよくない!?」
「やばい、寺内ってすっごいイケメン!
どうして気づかなかったんだろう!」
「あれ、寺内なのか?」
「……あぁ、あの怖い不良の寺内、だよ、な……?」
「普通にイケメンじゃん、男でもドキッとしたわ。」
と、また口々に話し始めた。



