叶多も大変だなぁ…。
なんて呑気に考えていたら玄関につき、靴を履き替えていると、誰かに抱きつかれた。

｢ちーか！！おっはー！！！｣

叶多と同じように元気な挨拶をするこの子は、中学が同じで仲が良く、クラスが同じでいつも一緒にいる優子。

｢おはよ｣

その隣で眠そうに挨拶をする真希も、同じ中学で、今、クラスが同じ。

｢おはよう、優子、真希｣

私はいつもこの2人と過ごしている。


｢ねぇねぇ！！昨日のドラマ見た！？｣

｢見てない、寝てた｣

｢もー、真希は寝すぎなんだよー。千加は見てたよね！？｣

｢私はその時間、ピアノのレッスンだったの。ごめんね、優子｣

｢そっかぁ、千加は偉いねぇ。優子、千加のそういうところ大好きだよ！！｣

｢ふふ、ありがとう｣

｢もちろん真希のことも大好きだよ！！｣

気分屋さんな真希は優子のことを軽く無視し、ひとりで教室に向かっていく。
私達もその後を追い、教室へ向かった。