「ねぇ、邪魔。廊下の真ん中歩かないでくれる?」


げっ この冷たい声と言い方は…
後ろを振り返ると
うわーやっぱりさっきのあいつだ


「あ、すいません。ほらみゆ!早くどきなよ!」


「あんたね!同じ年ならさっき道教えてくれても良かったじゃない!どうせ行く場所一緒だったんだからさ!」


「は、めんどい。てか早くどいて。」


「あんたねー!礼儀ってものを…」


「なに?俺にそんなにかまってほしいの?」


「は!?何いってんの!そんなわけないでしょ!」


「じゃー早くどいてくれる?」


むきーっ!
これ以上いっても意味ないと思った私は
「はいはい。どきますどきますー。」


「どーも。」


「ほんとなんなのあいつ!」


「ねぇ、今の人、入学式で女子にモテモテだった小林 尚じゃない?」


「はー!?あんなやつのどこがいいの!?顔は良くても性格最悪じゃん!」


「まー今の言い方は冷たかったね。
でもそれも顔が良ければ許されるんでしょ。」


「はぁ。絶対にあんなやつ好きになんないわ。」


これが私の最初の尚君のイメージ。
まさかこんなやつを好きになるなんて思ってもいなかった。